トピック

◇ニューズレターvol.11を発行しました◇


(4.85MB,PDF形式)
Vol.11, August, 2014
P1…コラム:脳プロの“技術”
        狙った遺伝子を素早く改変「CRISPR/Cas9システム」
P2…特集:脳プロ 公開シンポジウムin HIROSHIMA

        アフターリポート
P3
ホットトピックス:自閉症スペクトラム障害(ASD)の
        客観的な診断基準に期待
P4…シリーズ: 「これが私の生きる道」
        慶應義塾大学 大学院医学研究科
        リハビリテーション医学教室
        里宇 明元 教授

14/08/20
ATR
「MEG逆問題における脳内電流分布と複数のアーチファクト源の階層モデルハイパーパラメータ推定」
"Estimation of hyper-parameters for a hierarchical model of combined cortical and extra-brain current sources in the MEG inverse problem.(K. Morishige et al.)"-NeuroImageにて掲載(ATR・川人所長他)

表示

<概要>
階層モデルハイパーパラメータ推定を用いて、複数のアーチファクト源と大脳皮質の電流を同時に推定し、アーチファクトの影響を分離することを試みた結果、アーチファクト成分と皮質電流の正確な推定が行えることを示した。

14/08/18
広島大学
「閾値下うつ病の行動的特性」
"Behavioral characteristics of subthreshold depression. (K. Takagaki et al.)"-Journal of Affective Disordersにて掲載(広島大・山脇教授他)

表示

<概要>
本研究では、閾値下うつの行動的特徴を検討するために、うつ病群11名、閾値下うつ群41名、健常群50名で行動的特徴に違いがあるかを検討した。その結果、すべての群で行動的特徴に違いがあることが明らかになった。行動に伴う主観的な正の強化子の頻度には、健常群と他の2群で有意な差があった。また、回避行動の頻度では、うつ病群と他の2群で有意な差があることが明らかになった。つまり、うつ病群の行動的特徴は、行動に伴う主観的な正の強化子の頻度が低く、回避行動の頻度が高い。そして、閾値下うつの行動的特徴は、行動に伴う主観的な正の強化子の頻度が低いことが示された。したがって、治療を行う場合には、うつ病群では正の強化を受ける行動を増やし、回避行動を減少させることが必要である。その一方で、閾値下うつ群では、正の強化を受ける行動を増やすことが治療ターゲットとなることが示唆された。
14/08/11 名古屋大学
「統合失調症患者および健常者におけるDISC1 Ser704Cys 多型と脳神経発達上の指標」
"The Disrupted-in-Schizophrenia-1 Ser704Cys polymorphism and brain neurodevelopmental markers in schizophrenia and healthy subjects. (T. Takahashi et al.)"-Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにて掲載(名大・尾崎教授他)

表示

<概要>
DISC1は、多様な脳領域において神経発達やシナプス可塑性に関与し、統合失調症の病因に関連していると考えられる。しかし、統合失調症の神経発達病態に関与し得る、脳の形態学的な変化に、DISC1の遺伝子型が及ぼす影響は不明である。本研究は、統合失調症患者および健常者を対象に、DISC1 Ser704Cys 多型と、脳MRIにより得られる神経発達上の指標との関連を調べた。その結果、Cys型キャリアは、Ser型ホモと較べて透明中隔腔が有意に大きいことが確認された。本研究の結果から、DISC1の遺伝子型がヒトの脳における初期の神経発達に影響を与える可能性が示唆された。
14/08/08 群馬大学、山口大学
「HDAC阻害剤はアミロイドβオリゴマーにより惹起されるシナプス異常を防ぐ」
"Histone deacetylase mediates the decrease in drebrin cluster density induced by amyloid beta oligomers. (Y. Ishizuka et al.)"-Neurochemistry Internationalにて掲載(群馬大・石塚助教、白尾教授、山口大学・山形助教他)

表示

<概要>
本研究においては、ドレブリン画像シナプス機能評価法(DIBES法)を用いることにより、アミロイドβの毒性により細胞死に先立ってシナプス機能異常が惹起されること、およびこのシナプス異常がヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC)を阻害する事で防がれる事を明らかとした。近年、アミロイドβはアルツハイマー病だけでなく、うつ病でも増加する事が報告されている。以上によりHDAC阻害薬が今後精神疾患の治療に応用できる可能性が示唆された。
14/08/08 東京大学   北海道大学
「シナプス刈り込みのしくみを解明 ~シナプス結合の強さの絶対値と相対値の両方が重要~」
"Global Scaling Down of Excitatory Postsynaptic Responses in Cerebellar Purkinje Cells Impairs Developmental Synapse Elimination. (S. Kawata et al.)"-Cell Reportsにて掲載(東大・川田特任研究員、狩野教授、北大・渡辺教授他)

8/9 財経新聞にて掲載「東大、シナプス刈り込みのメカニズムを明らかに」

表示

<概要>
発達期のマウス小脳において、生後12日までのシナプス刈り込みには、強いシナプス結合と弱いシナプス結合の「相対的な差」が重要であるが、生後12日以降のシナプス刈り込みには、強いシナプス結合と弱いシナプス結合の相対的な差だけでなく、シナプス結合の「絶対的な強さ」が重要であることを明らかにした。
14/08/08 金沢大学
「健常児における聴覚野の発達と言語発達の関係を解明!」
"A longitudinal study of auditory evoked field and language development in young children. (Y. Yoshimura et al.)"-NeuroImageにて掲載(金沢大・菊知特任教授、東田特任教授他)

8/6 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「声に敏感な子 会話上手 金大チーム再確認左脳聴覚野、言語と関連」
8/10 毎日新聞 電子版にて掲載「金沢大:左脳活発な子、高い言語能力 メカニズム解明 /石川」

表示

<概要>
本研究では、20名の健常幼児~就学児を対象に、幼児用脳磁計(MEG)を用いて捉えた人の声に対する脳反応と言語能力との関係について、2点での縦断的調査を行った。1回目と2回目の脳の反応を言語発達の程度と比較した結果、人の声に対して左半球の聴覚野の反応が大きくなった子どもほど、言語発達の伸びが大きかったことが認められた。本研究の結果から、人の声によって引き起こされる聴覚野の特に左半球の反応が、幼児期の言語発達に重要であることがより強く示唆された。

14/07/05 自治医科大学
「脳内GLP-1の摂食抑制経路の発見:糖尿病治療薬の抗肥満作用、多様な脳作用のメカニズム解明へ」
"Endogenous GLP-1 acts on paraventricular nucleus to suppress feeding: Projection from nucleus tractus solitarius and activation of corticotropin-releasing hormone, nesfatin-1 and oxytocin neurons. (K. Katsurada et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(自治医科大・桂田リサーチ・アシスタント、矢田教授他)

表示

<概要>
過食を主因として肥満や糖尿病が増加している。グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、食事に伴い腸から分泌され、インスリン分泌を促進し、血糖を低下させる。糖尿病治療薬のGLP-1関連薬には、過食・肥満改善作用があり、視床下部の摂食中枢への作用を介すると考えられている。GLP-1は延髄孤束核でも産生されているが、その役割は不明だった。自治医科大学の矢田教授、大学院生桂田らは、ラットを用いた実験を行い、視床下部室傍核にGLP-1受容体拮抗薬を投与すると摂食量が増加したことから、脳に内在するGLP-1は室傍核に作用して摂食を抑制していることを解明した。孤束核GLP-1神経細胞は、投射先の室傍核に作用し、摂食抑制性のCRH、ネスファチン、オキシトシン神経細胞を活性化することが解かった。本研究は、GLP-1(関連薬)による摂食抑制、抗肥満の神経機構を明らかにした。CRH、ネスファチン、オキシトシンは精神・ストレス・概日リズム・社会行動・循環調節にも関わることから、今回発見した神経経路がGLP-1の多様な中枢作用を仲介する可能性が考えられる。

14/0/8/04 浜松医科大学
「自閉症児の血清中micro RNA 発現プロフィール」
"Serum microRNA profiles in children with autism. (M. M. Vasu et al.)"-Molecular Autismにて掲載(浜松医大・Vasu特任研究員、森教授他)

表示

<概要>
脳の発達に関わる転写ネットワークにおいて、micro RNA (miRNA)は遺伝子発現の調節因子として重要な役割を果たしている。多くのmiRNAは血清および血漿中で安定であり定量的検出が可能である。本研究では、自閉症スペクトラム障害児を対象に血清中のmiRNA発現プロフィールを網羅的に測定した。その結果、13個のmiRNAに有意な変化があり、対照と比較して低下しているものが8個、増加しているものが5個認められた。さらに、これら有意な変化が認められたmiRNAの標的遺伝子についてパスウェイ解析を行ったところ、中枢神経系のいくつかの重要な経路に収斂した。以上から、血清中のmiRNAは、ASDの早期診断のための非侵襲的バイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
14/07/30 東京医科歯科大学
「小頭症モデル動物の人為的脳サイズ回復に成功」
"In utero gene therapy rescues microcephaly caused by Pqbp1-hypofunction in neural stem progenitor cells. (H. Ito et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(東京医科歯科大・岡澤教授他)

7/29 yahoo!ニュースにて掲載「小頭症マウス、脳サイズ回復=遺伝子治療の可能性期待-医科歯科大など」
7/29 時事ドットコムにて掲載「小頭症マウス、脳サイズ回復=遺伝子治療の可能性期待-医科歯科大など」
7/29 共同通信47NEWSにて掲載「遺伝子入れて脳の大きさ回復 小頭症マウスの実験」
7/30 デーリー東北新聞社ONLINE SERVICEにて掲載「遺伝子入れて脳の大きさ回復 小頭症マウスの実験」
7/30 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「東京医科歯科大、遺伝性難病「小頭症」の発症メカニズム解明」
7/30 日刊工業新聞 20面にて掲載「東京医科歯科大、遺伝性難病「小頭症」の発症メカニズム解明」
8/4 日経産業新聞 10面にて掲載「小頭症発症、仕組み解明、東京医科歯科大、マウスで遺伝子治療成功」

表示

<概要>
PQBP1は知的障害の主要な遺伝子として知られており、PQBP1遺伝子変異による発達障害は高頻度に小頭症を伴うことも特徴である。岡澤教授らは、PQBP1の2種類のコンディショナルノックアウトマウスの作成を通じて小頭症の分子機構を解析した。その結果、PQBP1は神経幹細胞においてスプライシングを介して細胞周期制御に関わる遺伝子群の発現に関与すること、PQBP1機能低下によりM期を中心とした細胞周期時間の延長が見られることを示した。神経幹細胞の分化効率変化あるいは細胞死増加などの、従来言われて来た小頭症原因は見られず、PQBP1異常症は新たな小頭症メカニズムによるものと考えられる。さらに、PQBP1を発現するアデノ随伴ウィルスベクターの母体投与により小頭症と知的障害を胎児期に治療することが出来た。これらの成果は、脳サイズ調節の新しい仕組みを明らかにするとともに、発達障害の新規治療法の可能性を示すものである。
14/07/30 東京大学
「自閉症スペクトラム障害当事者の内側前頭前野における神経生化学的なオキシトシン投与効果が基盤となって、心理課題実施中の同部位の脳活動が回復している-ランダム化比較試験-」
"Oxytocin's neurochemical effects in the medial prefrontal cortex underlie recovery of task-specific brain activity in autism: a randomized controlled trial. (Y. Aoki et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(東大・山末准教授、笠井教授他)

7/29 Health Newsにて掲載 "'Love Hormone' Oxytocin May Help Some With Autism"
7/29 本研究掲載誌「Molecular Psychiatry」によるプレスリリースが実施されました

表示

<概要>
40名の自閉症スペクトラム障害当事者を対象としたオキシトシン点鼻剤単回投与のランダム化・偽薬対照・二重盲検・クロスオーバー臨床試験において、心理課題実施中の脳活動回復を認めた腹内側前頭前野において(Watanabe et al., JAMA psychiatry,2014で既発表)、プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピーを用いて同部位のNアセチルアスパラギン酸濃度を測定していた。解析の結果、オキシトシン投与時にこのNアセチルアスパラギン酸濃度が上昇していた症例ほど同一部位の心理課題実施中の脳活動改善度が大きかった。パス解析の結果などから、Nアセチルアスパラギン酸濃度上昇が背景となって心理課題実施中の脳活動改善が生じるという関係が示唆された。これらの結果からは、腹内側前頭前野機能不全に由来する症状にはオキシトシン投与効果がより広く期待出来る可能性が支持された。

>> 記事一覧はこちら

14/08/6-7
開催

【終了】
脳プロ出張授業 in 江戸川区子ども未来館 子どもアカデミー

脳の不思議を大研究!「味覚マップと触覚マップをつくろう」

14/07/19
開催
終了】
脳プロ公開シンポジウム in HIROSHIMA・第11回日本うつ病学会市民公開講座
「うつ病の起源から未来医療へ」
14/03/11
開催
【終了】
第9回脳プロサイエンスカフェ
「柔軟な脳」のしくみを探る
    ~神経と神経のつなぎ目:シナプスの不思議~
14/02/01
開催
【終了】
第6回脳プロ公開シンポジウム 
「つながりの脳科学」
13/12/03-05
開催
【終了】
<第36回日本分子生物学会年会>
特別企画:ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)
「バイオリソース勢ぞろい」にてブース展示


13/11/27
開催
【終了】
東京医科歯科大学難治疾患研究所・国立環境研究所共催シンポジウム
発達障害研究の最前線 - The research frontier of neurodevelopmental disorders -
13/11/19
開催
【終了】
出張授業 in 桐朋中学校・高等学校
「動く細胞たちが織りなす脳の形づくり」
13/11/9-10
開催
【終了】
サイエンスアゴラ2013 脳プロブース
「脳科学を支えるニッポンの技術」
13/10/19
開催
【終了】
第8回脳プロサイエンスカフェ
「私たちはどのようにして「決める」のか-意思決定の脳内メカニズムを探る」
13/09/14
開催
【終了】
脳プロ公開シンポジウム in NAGOYA
「分子が生み出す心のしくみ
~最新テクノロジーから脳機能を司る分子・遺伝子に迫る~」
>> 過去のイベントはこちら
14/07/14 朝日新聞 23面『科学の扉』にて掲載「頭の中をよむ  夢の解読 脳活動の画像から」(阪大・吉峰教授他)
14/06/11 文藝春秋 2014年7月号にて掲載「SFが現実になった「サイボーグ進化論」」(阪大・吉峰教授、慶應大・里宇教授他)
14/03/27 NHK総合 NHKスペシャル「人体 ミクロの大冒険 第2回 あなたを変身させる!細胞が出す"魔法の薬"」に金沢大学・東田特任教授が出演します
【放送予定日時】4/5(土) 21:00~21:49
14/03/27 BS日テレ 深層NEWS「あなたの睡眠大丈夫? 眠りの悩みを徹底分析」に国立精神・神経医療研究センター・三島部長が出演します
【放送予定日時】3/28(金) 22:00~23:00
13/06/20 ATR・神谷室長が第27回塚原仲晃記念賞を受賞しました
13/05/15 ATR脳情報通信総合研究所・川人所長が平成25年春の褒章 紫綬褒章を受章しました
【受賞時の写真はこちら】
12/12/14 慶應義塾大学・仲嶋教授が第29回井上学術賞を受賞しました
12/11/13 NHK 「ここが聞きたい!名医にQ スペシャル2012 みんなで実践!スッキリ快眠術」に国立精神・神経医療研究センター・三島部長が出演します
【放送予定】11/17(土) 20:00~20:45 再放送11/23(金)13:05~13:50
12/08/29 課題A 大阪大学・平田特任准教授、吉峰教授らによる「重症ALS患者を対象とした有線接続・脳表電極短期留置での低侵襲型BMIの臨床研究」が、大阪大学医学部医学倫理委員会にて承認されました。
なお、本研究は、脳プロ課題Aで行われた研究成果を活用したもので、厚生労働科学研究費補助金:医療技術実用化総合研究事業(臨床研究推進研究事業)の助成を受け、行われます。
8/28 共同通信 47newsにて掲載「ALS患者の脳に電極 大阪大、臨床研究を承認」
8/28 MSN産経newsにて掲載「ALS患者の脳に電極 大阪大、臨床研究を承認」
8/29 日経新聞にて掲載「頭で念じ機器操作 阪大、ALS患者など臨床研究」
12/08/27 NHK WORLD「Science View」(英語)「Shape Shifting Neurons」に慶應大・仲嶋教授が出演
【放送予定】8/31(金) 8:30~8:58 (再放送 12:30~、16:30~、20:30~、24:30~、28:30~)
>> 記事一覧はこちら
本日160累計314319
↑このページのトップへ

文部科学省

脳科学研究戦略推進プログラム事務局 (脳プロ事務局)

〒444-8585 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38

TEL:0564-55-7803・4 FAX:0564-55-7805

CopyRight © SRPBS All Rights Reserved.